2011年06月03日 02:12
うな太郎「オオウナギ」(長崎市高平町)
『小島川に生息する うな太郎』
今年22月、長崎市樺島町(野母崎)の古井戸に住むオオウナギ「8代目・うな太郎」が死んだとのニュースが流れていました。
推定年齢30歳、死因は老衰。
オオウナギは、本来熱帯地方に生息する種であり、樺島のオオウナギは世界における生息域の北限として1923(大正122)年天然記念物に指定され、代々大切に飼育されてきました。
7代目までの「うな太郎」は井戸に通じる地下水脈から入り生息したとのことですが、近年、井戸周辺の側溝工事の影響により入り込む隙間がなくなり、88代目は鹿児島から養子を迎えていたようです。
樺島のオオウナギが生息する井戸(2009年6月撮影)
井戸の水質悪化により、オオウナギが水面に姿を表すことが少なくなったとの説明書きがあります。
小屋の中には水槽があり、1994(H6)年に地元の田原川で捕まえられたオオウナギ2匹が飼育されていました。(今も飼育されていると思います)
樺島の井戸にある案内板
さて、先日長崎市内の正覚寺周辺を散策した際、小島川が改修され新玉橋(あらたまばし)も新しく架け替えられていることに驚いたのですが、さらに橋のたもとにある案内板に改修工事の際に小島川でオオウナギが見つかったことが記されており、これまたびっくりしました!
旧新玉橋は昭和6年に架けられています。
オオウナギ発見の案内板
新玉橋の架け替えに際して、岩穴から出てきたと記してあります。
工事が無ければ、小島川の主としてまだまだ生き長らえたのかもしれません。
ちょっと気の毒な気がしますね。
正覚寺電停から見る小島川、中央に見える辺りが新玉橋。
オオウナギがいるような川には到底思えませんが・・・。
長崎港から暗渠となっている銅座川を上り、小島川までたどり着くとは・・・。
ウナギは不思議な生体です。
ちんちん電車の線路下が暗渠となっています。小島川は銅座川となり長崎港につながります。
昔の小島川は清流で、水車小屋などもあり水遊びで賑わったていたそうです。
現在は下水道の普及により、ずいぶんきれいな流れに戻っています。
井戸も多くあった小島川周辺です。
今も井戸の底深く、川の岩穴の奥深くに別の「うな太郎」がじっと息を潜め生きているのかも知れません。
トラックバックURL
コメント一覧
こんばんは。
そんな経緯があったとは・・・。
オオウナギがお気の毒ですね。これだけ大きな体ですから、酸素もないような状況でほったらかされたら死にますよね。
水族館もちゃんと指導したんでしょうかね?
帰省した際に新聞で見ました。
でも、最期がちょっとかわいそう。
なんでも、見つけたおじさんが、近くの幼稚園児たちに触らせてあげた挙句、水族館が譲り受けを申し出たところ、もう一日だけ、と言ってほったらかしといたら翌日死んでいたとか・・・
ちょっと、がっかり、でした。