2009年06月26日 00:00

樺島地下ダム(長崎市野母崎樺島町)

国内初の水道専用として造られた「樺島地下ダム」

以前、本河内・西山水源地(ダム)のことを調べている中で(2009/05/25の記事等)、樺島に「地下ダム」という聞き慣れない施設があることを知りました。

そこで今回、この地下ダムが一体どのようなものか確認してきました。
(正しく言えば、地下ダムがある場所を見てきました。)


現地の様子を紹介する前に、まず地下ダムの構造について説明します。

下のイラストをご覧下さい。(イラストは長崎県水環境対策課HPより許可を得て掲載しています)

地下ダムを簡単に説明すると、地中の地下水がある層に壁を造り、地下水をためる方式のダムのことを地下ダムといい、地下に貯まった水はポンプで汲み上げる構造になっているとのことです。同じ地下水を利用する井戸や湧き水によるものとは、本質的に性格が異なるものです。

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樺島地下ダムへは、灯台に通じる最後の分かれ道を右に進み、山沿いの斜面を下っていきます。
案内板がないのでこの道で良いのか?ちょっと不安になりますが、ドンドン下りて行きましょう!道は狭いですが、コンクリート舗装されているので違っていても何とかなりますよ!

(夏もまだなのに、コスモスが咲いています)
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進んだ道が間違っていなければ、きれいに整備された広場(公園)に出ます。
トイレ、駐車場あり。でもバーベキューは禁止です。
日陰が少ないので、真夏の日中はきついかも・・・。
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車を停め、更に先へ歩いて行くと、何やら湿地らしきものが見えてきます。
これが地下ダムでしょうか!!
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間違いありません。これが地下ダムのようです(正確には地下ダムの地表面)。
地下水が地表にしみ出しているのか、流れ込む水があるのか?
自然の湿地帯を造り上げています。
湿地帯の真ん中にポンプが設置され、地下水を汲み上げているようです。
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ガマも群生し、大きなビオトープを形成しています。
どこか懐かしい水辺の匂いがしました。
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さらに先へ進むと、これがまた絶景です。
自然が創り出した入り江が、とてもいい雰囲気です。
樺島灯台は左手山の裏側に当たります。
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海側から見た地下ダムです。
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湿地から少し離れた場所に浄水処理施設があります。
業者の方がメンテナンスを行っているので、ダムとして稼働しているようです。
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湿地では多くのトンボを見ることができました。
これは何赤とんぼでしょうか?
昔はどこでも飛んでいた「シオカラトンボ」もたくさん見ました。
自然がいっぱいの樺島地下ダムです。
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周辺は「樺島灯台公園」として管理されています。
地下ダムから灯台に通じる遊歩道は、藪が茂って通れない様子でした。
海岸には「逓信省」の標石が残っているので、樺島灯台の管理地だったということでしょうか。
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「樺島地下ダム」

昭和49年に我が国最初に造られた樺島地下ダムは、島の南部の谷を埋める地層の中にグラウト工法(ボーリングにより地下にセメントミルクを圧入し壁を造る)により造られ、有効貯水面積0.584k?、貯水量20,000m3、1日当たり取水可能量200m3。

昭和54?55年グラウト壁の改良工事
昭和55?56年旧グラウト壁時代に流入した海水引抜

現在も週3回取水して、樺島地区の水道水として使用されています。

県内には対馬市豊玉町・対馬市美津島町・新上五島町にも地下ダムがあります。

自然の偉大さと、人間の英知に感謝!


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コメント一覧

2. Posted by ちび太郎   2009年06月29日 00:12
皿うどんさま
こんばんは。
樺島は大うなぎの「うな太郎」の井戸までは行った事がありましたが、
灯台も地下ダムも初めていきました。
どちらも景色が素晴らしく、梅雨が明けたらまた行ってみようと思います。
1. Posted by 皿うどん   2009年06月28日 00:00
こんばんは
はるばる樺島まで、お疲れ様でした!
それにしてもこんな施設があるなんて、まったく知りませんでした^^;
入り江も本当に綺麗ですね!

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