2016年11月09日 12:11
九州電力八丁原発電所(大分県玖珠郡九重町)
撮影日:2016(H28).11.06
『地球の莫大なエネルギーを利用する日本最大の地熱発電所』
久住連山への山登りに出かけるたびに気になっていた八丁原(はっちょうばる)発電所。
今回オープンイベントが催されることになったので出かけました。
源泉掛け流しの温泉で電気を作っているのか?
そんなアホなイメージしかありませんでしたが、その規模・歴史・仕組みを知ることができ、とても有意義なものでした。
『地球の莫大なエネルギーを利用する日本最大の地熱発電所』
久住連山への山登りに出かけるたびに気になっていた八丁原(はっちょうばる)発電所。
今回オープンイベントが催されることになったので出かけました。
源泉掛け流しの温泉で電気を作っているのか?
そんなアホなイメージしかありませんでしたが、その規模・歴史・仕組みを知ることができ、とても有意義なものでした。
九電のHPを見ると発電の区分は「原子力発電」「火力発電」「再生可能エネルギー」の大きく3つに分類されています。
今回訪れた「九州電力八丁原発電所」は、地熱を利用する「再生可能エネルギー」の発電所の一つです。
なお、水力、風力、太陽光発電なども再生可能エネルギーになります。
原子力・火力・地熱での発電の仕組みは同じで、蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こすものですが、その蒸気を発生させる(水を沸かす)熱エネルギー(燃料)がウランの核分裂によるものか、石油・石炭を燃やしたものか、地熱を利用したものかの違いになります。
地熱発電のイメージ(九州電力HPより引用)
八丁原発電所では、気水分離器(高圧の1次蒸気)とフラッシャー(低圧の2次蒸気)から得られる蒸気を用いてタービンを回すダブルフラッシュ方式が採用されています。
原子力・火力からは高いエネルギーが生じ大きな発電能力を得ることができる反面、放射性物質の漏洩や使用済核燃料の処理、CO2排出など健康や経済活動に大きな被害を及ぼす副産物も発生します。
気水分離器(高圧の1次蒸気)
タービン建屋とフラッシャー(低圧の2次蒸気)
これに対して地熱発電は元々地下からの蒸気や熱水を利用し直接タービンを回すことができるため、燃料が不要、半永久的に安定して稼働可能、クリーンエネルギーであることが特徴となっていますが、原子力・火力に比べると大容量の発電ができない、地熱を取り出せる場所が限られる、環境への配慮などが課題となっているそうです(火力発電は通常100万kw超)。
八丁原発電所には2基の発電機(タービン)が設置され、55,000kw☓2=11万kwの能力を有し、年間約8億7千万kwを発電しています(国内最大の地熱発電量)。
1号タービンの銘板・昭和52年6月24日稼働
2号タービン・平成2年6月22日稼働
タービンや気水分離器、フラッシャーなど主要な装置は三菱重工長崎造船所製。
この発電量を一般家庭用で換算すると約3万7千軒分、つまり長崎県なら大村市、大分県なら中津市の電気をカバーできることになります。
原子力・火力に比較すると発電量が小さいとは言え、大した能力ですよね!
冷却塔
タービンで使用された蒸気は冷却水で凝縮され温水となる。
その温水を冷却塔で蒸発冷却し、再びタービンに還し冷却水として使用する。
地熱発電が他の自然エネルギー発電より優れている点は、昼夜24時間天候に左右されず発電できることです。
エネルギーの利用率は風力が20%、太陽光が12%なのに対して、地熱は70%と高い利用率となっています。
遊休地や山を切り開き簡単に太陽光パネルを設置するようにはいきませんが、火山国である日本、地下の莫大なエネルギーを上手く活用できる地熱発電所がもっと注目されるべきだと感じた見学会でした。
これから冬に向かい八丁原周辺は気温マイナス20度近くまでなるそうです。九州とは思えない厳しい環境の下で勤務される職員の皆様ご苦労様です。
分かりやすい八丁原発電所の解説はこちら → 資源エネルギー庁HP
松島火力発電所 → 過去記事はこちら
今回訪れた「九州電力八丁原発電所」は、地熱を利用する「再生可能エネルギー」の発電所の一つです。
なお、水力、風力、太陽光発電なども再生可能エネルギーになります。
原子力・火力・地熱での発電の仕組みは同じで、蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電気を起こすものですが、その蒸気を発生させる(水を沸かす)熱エネルギー(燃料)がウランの核分裂によるものか、石油・石炭を燃やしたものか、地熱を利用したものかの違いになります。
地熱発電のイメージ(九州電力HPより引用)
八丁原発電所では、気水分離器(高圧の1次蒸気)とフラッシャー(低圧の2次蒸気)から得られる蒸気を用いてタービンを回すダブルフラッシュ方式が採用されています。
原子力・火力からは高いエネルギーが生じ大きな発電能力を得ることができる反面、放射性物質の漏洩や使用済核燃料の処理、CO2排出など健康や経済活動に大きな被害を及ぼす副産物も発生します。
気水分離器(高圧の1次蒸気)
タービン建屋とフラッシャー(低圧の2次蒸気)
これに対して地熱発電は元々地下からの蒸気や熱水を利用し直接タービンを回すことができるため、燃料が不要、半永久的に安定して稼働可能、クリーンエネルギーであることが特徴となっていますが、原子力・火力に比べると大容量の発電ができない、地熱を取り出せる場所が限られる、環境への配慮などが課題となっているそうです(火力発電は通常100万kw超)。
八丁原発電所には2基の発電機(タービン)が設置され、55,000kw☓2=11万kwの能力を有し、年間約8億7千万kwを発電しています(国内最大の地熱発電量)。
1号タービンの銘板・昭和52年6月24日稼働
2号タービン・平成2年6月22日稼働
タービンや気水分離器、フラッシャーなど主要な装置は三菱重工長崎造船所製。
この発電量を一般家庭用で換算すると約3万7千軒分、つまり長崎県なら大村市、大分県なら中津市の電気をカバーできることになります。
原子力・火力に比較すると発電量が小さいとは言え、大した能力ですよね!
冷却塔
タービンで使用された蒸気は冷却水で凝縮され温水となる。
その温水を冷却塔で蒸発冷却し、再びタービンに還し冷却水として使用する。
地熱発電が他の自然エネルギー発電より優れている点は、昼夜24時間天候に左右されず発電できることです。
エネルギーの利用率は風力が20%、太陽光が12%なのに対して、地熱は70%と高い利用率となっています。
遊休地や山を切り開き簡単に太陽光パネルを設置するようにはいきませんが、火山国である日本、地下の莫大なエネルギーを上手く活用できる地熱発電所がもっと注目されるべきだと感じた見学会でした。
これから冬に向かい八丁原周辺は気温マイナス20度近くまでなるそうです。九州とは思えない厳しい環境の下で勤務される職員の皆様ご苦労様です。
分かりやすい八丁原発電所の解説はこちら → 資源エネルギー庁HP
松島火力発電所 → 過去記事はこちら